ハロウィン | ナノ
『ハロウィン』



「とりっく おあ とりーと!!」

「違う。『Trick or treat』だ」

「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ!」

「まぁ君には日本語が妥当か」

「お菓子!」

「生憎今はなくてね」

「えー!?カステラとかクッキーとか和菓子とか、京極さん家ならあると思ったのに。この古本屋っ」

「馬鹿にしているのかよく分からない暴言を吐かないでくれ」

「とにかく、京極さんには悪戯ですね。それではまた明日!」

「……明日?」




次の日玄関を見ると自分の下駄が無く、代わりに真新しい真っ黒な高下駄が置いてあった。



ハロウィン(…花魁?)