「あーつーいー」 「暑いな」 「…それ、礼二郎が私を抱きしめてなかったら今より涼しくなること分かって言ってる?」 「僕は抱きつきたいから抱きつくんだ!」 「子供か」 「神だ!」 「うるさい。じゃあせめて汗拭かせてよ」 「別に気にならないぞ、ほら」 「ぎゃぁっ!?首、今、何、舐めたの!?何してんのよ!」 「いつも甘い匂いがするから汗も甘いかと思ったんだ!」 「甘い訳ないでぎゃぁぁ!!」 「しょっぱい!」 「馬鹿たれ!」 その後買い物から帰ってきた益田が見たのは、何故か楽しそうな榎木津と、ぐったりとして荒い息をするその彼女だった――。 夏(鬱陶しいほどの) ← |