ミルクココア
 苦いモノが全般的に苦手なつばさは、とにかく甘いモノを好む。
 中でも一番のお気に入りは、ミルクココア。
 お茶や紅茶も飲むけれど、ココアが一番のお気に入り。
 何よりも、柳が冬になると目覚めの一杯として入れてくれるのが大のお気に入
りだった。
 朝起きるのが苦手なつばさを起こすのは、柳の役目。
 冬は、いつもよりも少し早目に起こして。
「つばさ、おはよう。時間だ」
「う〜・・・・あと、5ふん〜〜〜」
 軽く揺さぶられ、布団の中から唸るように答えるつばさ。
 そんなつばさに、苦笑しながら布団から抱き上げ。
「ダメだ。ホラ、ココアを淹れて来た。コレを飲んで、起きろ」
「うに〜・・・」
 柳に抱き抱えられ、そのまま飲ませて貰う。
 猫舌なつばさのために、ココアは少し温め。
 それを一口飲んで、幸せそうに息を吐き出す。
「はふぅ」
「おはよう、つばさ」
「おはよう、蓮二」
 振り向き、腕を伸ばして抱き付いてキスを交わす。
 残りを飲むべく、大人しく柳に抱かれた状態で飲む。
 そんな冬の朝の出来事。

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