体温
女性特有の痛みに襲われ、眠気と戦い。
ぼんやりとする頭で、何とか自宅に帰宅をしたのはいつもよりほんの少しだけ遅い時間。
この時ばかりは、周囲に女性が居ると自然と助け合う事という空気になるのが、今の職場で良かったと思う瞬間であろう。
食事をする気にもなれず、月初のこの時期であれば共に暮らす柳も忙しいので帰宅は遅くなるのは、承知済み。
食事の用意をする必要もなく、浴室へと向かい。
簡単に洗い流して、お湯を張る。
いつ帰って来ても入れる準備だけは、しておく。
そうして、普段は共に寝る寝室ではなく自分の部屋へ行くとつばさはベッドに倒れ込む。
布団に包まり、何も考えたくないとばかりに眠りに就く。
この時期は痛みと眠気に襲われるのと、意味もない疲労感に何とも言えない甘えたくなる感覚に襲われる。
分かっているからこそ、仕事で忙しい柳の邪魔をしないようにと1人で眠る。
つばさが眠りに就き、日付が変わろうとする頃。
柳は帰宅をして、風呂に入って寝室に行く前に自室で眠るつばさを抱き上げてから、寝室へと向かう。
「ん……、れ、ちゃ?」
「起こしてしまったか?」
「んー……、なんで?」
「1人で眠るから、だ」
夢現状態で問い掛けるつばさを、ぎゅっと強く抱き締め。
髪を優しく梳きながら、「おやすみつばさ」と囁けば。
ぎゅっと抱き締め返しながら、擦り寄り「おやすみなさい、れんちゃん」と、返って来る声。
互いの体温を感じながら、ゆっくりと眠りに就く。
例えどんな状態であろうとも、互いの温もりがあれば幸せな眠りに就ける。

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