柳蓮二という男(変換なし) 静かな、静かすぎる男。 淡々と頁を捲る指は、細く長い。 あの指が触れると、何も考えられなくなる。 細く長い指に囚われたら、逃げ出す事は不可能。 低く低く囁かれる声。 脳髄に、甘く痺れるその声は思考を奪う。 日光に弱く、普段は開いてるのかいないのか分からない瞳。 開かれると、切れ長な瞳に射抜かれる。 細い肢体は、意外と筋肉痛でしなやか。 抱き締められたら、心地よい。 意外と低い体温が上がる瞬間が、堪らなく好き。 香袋を持ち歩き、白檀の香りが仄かに薫る。 その奥に隠されたのは、静謐な柳の香り。 艶やかな髪は、サラサラ。 墨を落としたような漆黒。 柳蓮二という男を象る、その全てが愛おしい。 参謀と呼ばれ、常に冷静沈着で。 データから弾き出す、迷いのない判断。 そんな柳を振り回すたった1人が、隣りに立つ事を赦された私。 甘美なまでに、甘く優しい柳。 けれど、それと同時に酷く独占欲が強く嫉妬深い。 なんて心地よい。 そんな男に愛されたのなら、余所見なんて出来ない。 だから、だからこそ 他の男に気があるフリをして、 仲良くして、 心かき乱す そうして、私だけを見ればいい なんて、歪な愛 けれど、それこそが至高の愛なのかもしれない[ 15/53 ]← →
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