柳蓮二という男(変換なし)
静かな、静かすぎる男。
淡々と頁を捲る指は、細く長い。
あの指が触れると、何も考えられなくなる。
細く長い指に囚われたら、逃げ出す事は不可能。
低く低く囁かれる声。
脳髄に、甘く痺れるその声は思考を奪う。
日光に弱く、普段は開いてるのかいないのか分からない瞳。
開かれると、切れ長な瞳に射抜かれる。
細い肢体は、意外と筋肉痛でしなやか。
抱き締められたら、心地よい。
意外と低い体温が上がる瞬間が、堪らなく好き。
香袋を持ち歩き、白檀の香りが仄かに薫る。
その奥に隠されたのは、静謐な柳の香り。
艶やかな髪は、サラサラ。
墨を落としたような漆黒。
柳蓮二という男を象る、その全てが愛おしい。
参謀と呼ばれ、常に冷静沈着で。
データから弾き出す、迷いのない判断。
そんな柳を振り回すたった1人が、隣りに立つ事を赦された私。
甘美なまでに、甘く優しい柳。
けれど、それと同時に酷く独占欲が強く嫉妬深い。
なんて心地よい。
そんな男に愛されたのなら、余所見なんて出来ない。
だから、だからこそ
他の男に気があるフリをして、
仲良くして、
心かき乱す
そうして、私だけを見ればいい
なんて、歪な愛
けれど、それこそが至高の愛なのかもしれない

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