幼馴染みで
「つばさ、先に帰った方がいい」
「蓮くんのテニスしてる姿、見たいよ」
柳の言葉に、頬を膨らませて反論するつばさ。
2つ年下の幼馴染みであるつばさは、幼い頃から身体があまり丈夫ではなく、大分改善はされたと言っても無理はさせられない。
知っているからこそ、柳は先に帰るように促すのだが。
普段はおっとりとしているのに、自分の主張を中々曲げようとしない強さを持つつばさを知っているだけに、溜息を一つ吐いて自分の着ている上着を渡す。
「それを着ていろ。終わったら、送って行く」
「うん、ありがとう。部活、頑張ってね」
にこっと嬉しそうに笑うと、渡された上着を羽織る。
小柄なつばさが羽織ると、袖から手が出て来ずにダボッとしてしまうのだが。
そこは愛嬌であろう。
未だ幼馴染みな2人の関係が、変わるのはまだもう少し先の話。

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