納得するまで説明しようか
「分からない」
「何がだ」
「何だと思う?」
シャーペンを投げ出し、机に突っ伏するつばさ。
そんなつばさに、静かに問い掛けるのは向かいで宿題を続ける柳。
視線を向けられる事なく、自分の作業を続ける柳を、目線だけで見上げ。
答えるつばさ。
「数学、ではないな」
「うん、違う。むしろ、飽きた」
「終わったのか?」
「まだ。もうちょっと」
「なら、終わらせろ」
「そうしたいんだけどね、分からない事が気になってしょうがないの」
むすっとした声音で答えるつばさに、柳は宿題を進めながら、相手をする。
「何が、分からないんだ」
「・・・・・・内緒」
「それなら、解決する手立てを考えてやれないな」
「むぅ」
柳の言葉に、詰まるのはつばさ。
いつだって、冷静で理論的な柳はつばさがどうしても勝てない相手。
考えるよりも、まず行動。な、つばさとは対照的。
「つばさ」
「なぁ〜にぃ〜」
「説明をしてやろうか?」
「え?」
「納得するまで、説明しようか?お前が何故、俺の事が好きで。俺がつばさのドコが好きなのか」
淡々とした口調で告げられ、顔を見上げれば。
いつの間にか、真っ直ぐと見詰めてくる柳の視線とぶつかる。
「い、いい!!」
「そうか?」
「いらない!!」
拒否の言葉を口にすると共に、机に顔を伏せるつばさ。
そんなつばさに、クツクツと笑いを漏らす柳。
理論的な柳には、逆立ちしても勝てないと悟った瞬間だった。

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