たまにはこんな日も
「夏休みの課題?」
「ああ」
「終わってるけど?」
「やはりそうか」
唐突な質問に、首を傾げながらも答えると予想通りと頷き再び読書に戻る。
その姿に、質問の意図を聞いてみようかと思ったが質問の代わりに、空になったコップを手にして冷たすぎないお茶のおかわりを注ぐ。
室内はエアコンと扇風機により適温が保たれている。
冷たい飲み物は、最初の一杯だけ。
それ以降は、冷たすぎないお茶。
身体は、表面上は暑くても体内は冷えていたりする。
「夏休み残り僅かだが、何がしたい?」
「え?」
「練習や試合ばかりだったから、な」
本から目を離さずに、再びの質問。
驚いたものの、直ぐに理解をすれば思わず笑みが零れる。
「じゃあ、本を読んでたまに一緒に午睡を楽しむ。で、どう?」
「………それで良いのか?」
「蓮二が、私の傍で寛いで一緒に昼寝なんて。充分贅沢だと思うけど?」
笑って言えば、優しく髪を撫でられる。
ショッピングや遊びに出掛けるのは、確かに魅力的だけど。
それよりは、独り占めという贅沢を私は選ぶ。
残り僅かな夏休み。
これから、二人で満喫しましょう。

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