たまにはこんな日も 「夏休みの課題?」 「ああ」 「終わってるけど?」 「やはりそうか」 唐突な質問に、首を傾げながらも答えると予想通りと頷き再び読書に戻る。 その姿に、質問の意図を聞いてみようかと思ったが質問の代わりに、空になったコップを手にして冷たすぎないお茶のおかわりを注ぐ。 室内はエアコンと扇風機により適温が保たれている。 冷たい飲み物は、最初の一杯だけ。 それ以降は、冷たすぎないお茶。 身体は、表面上は暑くても体内は冷えていたりする。 「夏休み残り僅かだが、何がしたい?」 「え?」 「練習や試合ばかりだったから、な」 本から目を離さずに、再びの質問。 驚いたものの、直ぐに理解をすれば思わず笑みが零れる。 「じゃあ、本を読んでたまに一緒に午睡を楽しむ。で、どう?」 「………それで良いのか?」 「蓮二が、私の傍で寛いで一緒に昼寝なんて。充分贅沢だと思うけど?」 笑って言えば、優しく髪を撫でられる。 ショッピングや遊びに出掛けるのは、確かに魅力的だけど。 それよりは、独り占めという贅沢を私は選ぶ。 残り僅かな夏休み。 これから、二人で満喫しましょう。 [ 51/53 ]← →
TOP
|