貧血(日吉)

お昼を食べる気力もなく、グッタリとしていれば。
「食べないんですか?」
いつの間に来ていたのか、目の前には涼やかな表情の少年、日吉が立っていた。
「ん〜・・・。眠い、ピヨ食べる?」
「誰がピヨですか。少しは食べないと、お腹空いても知りませんよ?名前先輩」
若干呆れながらも、前の席に座って冷ややかに言う日吉。
お腹が痛いのもそうだが、何とも言えない眠気に襲われていたt。
お腹が空いてないワケではないのだけれども。
今は、寝たいのが本音。
部室で2人きりの昼食。
楽しく話をして過ごしたいのに、眠くて仕方がない。
「仕方ないですね。眠いなら、ムリをせずに寝たらどうですか?授業開始前に起こしてあげますよ」
「若?」
不思議そうに目線を上げれば、伸びてきた腕。
そうして、そっと恐る恐る。
けれど優しい手付きで、頭を撫でてくる日吉。
その手があまりにも気持ちよくて、名前は逆らう事なく眠りに就く。
「フン、名前先輩の寝顔を見れるなら悪くないですね」
そんな声は、名前の耳には届かない。
あどけない無防備な寝顔を晒しながら、日吉の手の温もりに痛みを忘れて眠る。
そんな昼休み。





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