愛故に(白石)

「名前、今日暇やろ?今から、家に来ぃへん?」
突然の白石からの呼び出しに、驚いたものの。
慌てて準備をして、訪れる。
「突然ごめんな〜。急に部活が休みになったんねん。最近、ゆっくりと時間取れへんかったやろ?」
ニコニコと人当りのいい笑みを浮かべながら、部屋に案内される。
夏の全国大会に向けて、部活が忙しいのは分かっているから、気にしないでいいのに。
そう思いながらも、嬉しくなって大人しく部屋に招かれれば。
「ほんでな〜、昨日の男。誰やねん?」
ゆったりとした口調が一転。
部屋に入った途端、背後から抱きすくめられ問われる。
「え?」
「え?やないで、名前。俺が知らんとでも、思うとるん?昨日、仲良う歩いとった男や」
白石の言葉に、必死に記憶を探る。
そうして、思い出す。
昨日はクラスの男子と一緒に帰った事を。
「ええっと、クラスメイトだよ?」
「ふーん・・・」
「く、蔵??」
スーっと、血の気が引く。
白石は誰にでも優しい男であるが、実はかなり嫉妬深い。
例え単なるクラスメイトでも、一緒に帰ったのは許せない。
「ムカツクわ」
「蔵!!」
「あんな〜、名前。あと、何回言うたら分かってくれるんや?」
言いながら、ベッドに押し倒し。
笑みを浮かべながら、見下ろす。
逃げ場は、どこにもない。
「ま、待って」
「待たへん。悪い子には、お仕置きや。当然やろ?」
にっこりと、綺麗な笑みを浮かべ。
そうして、どこから取り出したのかいつも白石の腕に巻かれている包帯で、両手首を縛られてしまう。
「愛してるんやで、名前?」
耳元で囁かれる。
これも、愛故に。




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