立海バスケ(名前変換なし)

「へぇ・・・・・・随分と、派手にやられましたね。先輩」
柔らかな声が聞こえた瞬間、それまでと違った喧騒が広がり。
体育館の入り口が自然と開かれ、そこから3人の少年が入って来た。
3人ともにジャージ姿で、先頭に立つ少年は肩にジャージを羽織っていた。
「一年生かい?」
「へへっ、俺がこの立海バスケ部のナンバー1ッスよ」
周囲には疲れ果てた上級生が座り込んでいる。
その中で、ニッと笑って言うのはまだ幼さの残る顔の小柄な少年。
体育着な事からも、新入生な事は見て取れる。
「少々お痛がすぎるようだね」
「は?何を言ってるんスか?」
「俺が相手をしよう」
ジャージを羽織る少年の後ろから、スッと前に出たのは3人の中では割と体格のいい少年。
この春で2年に進級したばかりの、真田だった。
「まずは、弦一郎からか」
ポツリと呟くのは、3人の中で一番背の高い少年柳。


「へへ、容赦しないッスよ」
楽しそうに真田に笑って話し掛ける、他の上級生を倒した事によって己の力を過信している少年、切原は思い知る。
昨年、立海バスケ部を全国に導いた立役者が後から姿を現した3人である事に。
そうして、思い知る。
実力の差を・・・・・・。
あっという間に、ドリブルをカットされて点を決められる。
逆にカットしようとして、巧みなボール捌きに翻弄されて奪えない。
そうして、瞬く間に5点連取される。
見掛けとは裏腹なスピード、何よりも力強い動き。
真田と入れ違いにコートに立ったのは、柳。
しなやかな動きに、相手の動きをまるで読んでいるかのような無駄のない動きは、真田以上に切原を翻弄して点を決める。
そうして最後、幸村は2人とは違った。
圧倒的な差を見せ付ける。
寄せ付ける事無く、あっという間に点を入れる。
それまでの自信をアッサリと崩す、3人の強さを切原はマザマザと感じてコートに膝を付く。
「チクショーーーーーーッッッ!!」
悔しいと、叫ぶ切原に幸村は優雅な笑みを浮かべて真田と柳を連れてコートを後にする。
思い上がりの自信を打ち砕き、そうして挑むのならば見込みがある。
だからこそ、3人は手を抜く事なく相対した。
「さ、楽しみだね。どう思う?」
「来るだろうな」
「一番楽しそうなのは、弦一郎だな」
そうして、再び3人の前に切原が姿を現した時。
立海バスケ部の新たなる歴史の1ページが幕開かれる。




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -