貧血(大石)

彼女の友人から連絡を貰って、保健室に行ってみれば。
まだ青白い表情をして眠る、彼女。
ムリをして体育の途中で倒れた理由は、貧血。
何故貧血になったのかは、何となく分かるが。
倒れるまでムリしなくてもいいのに、と思うのは男だからだろうか?
その痛みを理解する事など、到底ムリで。
だからこそ、心配なのだが。
「んっ…」
「起きたかい?」
「…秀ちゃん?」
「倒れたと聞いて驚いたよ。起きれるなら、帰ろうか?」
「え、あ、うん?あ、でも…テニス」
「こんな時ぐらい、彼氏らしい事をさせてくれないか?送るよ」
「でも…」
「休んだ分、明日キッチリ取り返すから心配しなくていいよ。だから、もうムリだけはしないでくれよ?」
「うん、ごめんね?ありがとう、秀ちゃん」
手を繋いで、久しぶりに2人で帰るいつもの道。
たまには、こんな日も。





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