貧血(白石)

筆舌に尽くしがたい痛み。
男にはわからない痛み。
それが生理痛であり、まだまだ長い間付き合いがあるのが現実。
「名前、どないしたん?」
机に突っ伏して、遠くを見ていれば。
頭上から聞きなれた声。
視線だけで見上げれば、そこには白石の姿。
「あー・・・」
「うっわ、めっさ顔が真っ青やん。どないしたん?ああ、もしかせーへんでもアレかいな?せやったら、こんなトコにおらんで保健室でも行った方がええんちゃうん?」
顔を覗き込んで言う白石に、保健室嫌いと小さな声で返す。
そんな名前に、しゃーないなと呟き。
頭をくしゃりと撫でると。
「せやかて、残りの授業受けれへんやろ?行くで」
「え?」
椅子を引き、アッサリと抱き上げて。
驚く暇も与えずに、歩き出す。
周囲の視線を気にもせずに、辿り着いた先は部室。
何故か一つだけあるソファーに座ると、膝枕をしてくれる。
お腹には、ジャージ。
「これでええやろ、少し休み」
「ありがとう、蔵」
「ええねん、名前の体調が良くなるんならそれで」
瞼をそっと包む、少し冷たい掌。
冷たいけれど、とても暖かい。
穏やかな眠りに、落ちる。





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