02.不意打ちキスをしてきた君

「つばさ、ほら。出ておいで」
声を掛けるが、蓑虫の如くシーツに包まり出て来ない。
そんなつばさに苦笑を漏らすしかない柳ではあるが、それすらも楽しいと思ってしまう辺りが愛しさなのであろう。
「今日のご飯は、つばさの好きなのにしよう」
「……」
その言葉に、もぞもぞと動きシーツからひょっこりと顔が少し出て来る。
「おいで、つばさ」
微笑み手を差し出せば、ジッと見詰めて来るつばさ。
もぞもぞと動き、徐にシーツから飛び出して柳を押し倒して上に乗り。
楽しそうに笑いながら、不意打ちのつばさからのキスが一つ。
「約束だよ?今日のご飯は、私の好きなのだからね?」
「……分かった。約束だからな、何が良い?」
「んっとね、パンケーキ!で、夜は何か和食のを一緒に作ろう?」
「ああ、了承した。ならば、作るから退いてくれないか?」
滅多にないつばさからの不意討ちであろうとキスに、思わず笑みを浮かべながら了承すれば。
ニコニコと笑顔で、つばさは柳の上から退く。

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