01.シーツにくるまる君

休日。
いつもよりも少し遅い時間に目が覚める。
隣りには、柔らかな温もり。
幸せそうに眠る表情は、あどけなくしばし魅入ってしまう。
何の夢を見ているのか、時折ふにゃっと顔を緩めるつばさに思わず、柳は笑みを零す。
未だ起きる気配のないつばさの額にそっと唇を寄せて、「おはよう」と囁く。
返事はなくとも柳は幸せそうに眠るつばさを、飽く事なく眺める。
そうして眺めていると、睫毛が震えゆっくりと瞼が開く。
ぼんやりと視線がキョロキョロしているが、その瞳に柳を映すとつばさは、ふにゃりと微笑み。
「おはよう、蓮ちゃん」
「ああ、おはようつばさ」
頬を撫でれば、嬉しそうに擦り寄って来る。
そのまま頬から首筋を撫で、肩まで撫でると。
ピクリと震わせ、戸惑いの視線を向けて来る。
クツリ。
そんなつばさに、喉で笑えば。
「れ、蓮ちゃん!!」
「すまない」
謝罪の言葉を口にするが、頬を膨らませ軽く睨むつばさに笑みを深くする。
「蓮ちゃん」
ムーっと、睨むつばさに笑いながらも柳はそっと髪を撫でてやれば。睨みながらも、撫でられる内に嬉しそうな表情になる。
素直すぎるその反応に、やはり柳は笑ってしまう。
「もう、知らない!」
シーツにくるまり、すっぽりとシーツに身体を隠してしまうつばさ。

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