5.「...思ったよりも弱いな。お前」


震える肩、シャツ越しに感じるのはつばさの涙。
そんなつばさの背を撫でながら、柳は思った言葉をそのまま声に出す。
「・・・・・思ったよりも弱いな。お前」
「っ!!」
「だが、良かった」
「何が?」
「あまり強すぎると、守る事が出来ないからな。つばさ、今度から隠さずに、言え。それと、放課後はコートに来い」
「えっ」
「お前に何かあったら、一大事だからな」
「でも・・・」
「大丈夫だ、何も心配する事はない」
ぎゅっと、抱き締めてやれば。
戸惑いながらも、頷くつばさ。
例え弱くても、強くても。
柳にとっては、どうでも良かった。
つばさという存在は、そんなモノでは推し量れない。
予測不可能な行動を取るが故に、興味が尽きない。
だが、それ以上に一緒に居て心地よい相手であった。
だからこそ、柳は守りたいと心から思ったのであった。

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