3.「好きだ、と言葉だけで満足するなら何度でも言おう」


付き合い始めて、半年。
この頃には、つばさは柳の事を名前で呼ぶようになり。
一緒に居る事を、隠さなくなった。
しかし、それによって陰の罵りが増していったのは明白であるが。
当の本人であるつばさは、全く意に介していなかった。
むしろ、時として絡んできた相手を言葉で丸め込んでいた。
意外と強かな一面を、持っている。
が、時折。
「ね、私の事好き?」
不安そうに、揺れる瞳で柳を見上げる。
周囲の言葉に流される事はない、つばさ。
いつだって、己の耳と目で聞いて見たモノしか信用しない。
だからこそ、柳はつばさを大事にしたかった。
言葉が欲しいというのならば、惜しみはしない。
「好きだ、と言葉だけで満足するなら何度でも言おう」
そう告げれば、泣き笑いの表情で柳を見詰め。
小さな声で、強請る。
「いっぱい、言って?」
可愛い甘えに、柳は己の腕の中に納まる小さなつばさの身体を抱き寄せ、その耳元に愛情を込めて囁く。
何度でも、つばさが満たされるまで。

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