こういうことは、高校生をしていた時にもよくあった。というより、これは、千空と出会った時からやっていたことだ。二人だけの帰り道であったり、他に人のいない廊下だったり、お互いに忙しい時が多かった。疲労感がほぼピークだからなのか、なんとなく、境界線が曖昧になって、言葉もなく、秒数にして二秒ほど。

「……変わんねえな」
「まあ、シャンプーとかコンディショナーとか私は結構適当だったからね……。むしろ、ちゃんと食べてる今の方がマシかも」

千空が私を、であったり、私が千空をであったり色々だ。おそらくお互いに同じ心理で、どちらかの頭を両手で撫で回す。今回は千空から私であった。「笑えねえ冗談言ってんじゃねー」「冗談言える余裕があるってことで」じゃあ、も、また、も言い合うこと無く何事も無かったみたいにすれ違う。

「ど、どうしたなまえ、髪がめっぽうボサボサだぞ……?」

ちょっとね、風にね。私は確かにそう言ったはずなのに、コハクちゃんは「ああ、千空か」と笑っていた。
何故バレたんだろう。


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20190927:「あれ? なまえちゃんなんか髪みだれてない? 俺が直してあげようか?」「おいこらメンタリスト」(やっぱ千空ちゃんの仕業かあ……)
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