その他夢 | ナノ






へえ、がんばって。随分面白いことになったね。ははは。などと、たしか私はそう笑って、お酒を奢ってもらったから適当に飲んで、強くないせいですぐに動けなくなって。これもまたいつもの事だけれど家まで送ってもらったような気がする。けど。
気がついたら東京行きの飛行機に乗せられていた。

「よう、起きたか」
「……んん?」
「お、おはようございます」
「誰……?」

いや、わかる気がする。この人あれだ、児島弘道。確か球団はリカオンズ……。なんでそんな有名人が東亜と一緒にいるのかはわからないが、私はどうやら何事かに巻き込まれているらしいことはわかった。ええと。まず確認しないといけないことはなんだ……?

「あー……、と、私なんかやる事ある?」
「ねーよ? 必要なものは全部用意してやる」
「ならいいや」

いいのか、と児島さんは言うが、いいもなにも、明らかにこれ面倒臭い事態だ。全部を確認するのも、細かいことを問いただすのも時間がかかりそうである。東亜はまあこんなやつではあるが、この男が、やることは無いし、必要なものは全部くれると言うならくれるのだ。深く考えるだけ無駄というものである。詳しい状況について思い出すのは後にしよう。
私はまだぐらぐらとする頭に軽く触れて目を閉じる。眠いから寝る。

「な、面白い奴だろ」
「いいのか、説明とか、いろいろ……」
「説明したって今すぐ飛行機から降りられるわけでなし、こいつにとっちゃどうでもいいことなんだよ」
「に、人間そこまで割り切れるものか……?」
「こいつはできる。それだけの話さ」

視線を感じる気がしたが、私はそのまま意識を放った。「ひょっとして、」

「ひょっとして、彼女の方がお前より強いんじゃないのか」
「フフ、」

「どうだか」


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20190710:でもきっとその通りだ。

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