光に追従/ライトニング


君はいい、と、ライトニングはよく口にする。
なにもしなくていい、という意味合いで使われることが多い気がする。表面上の意味はなにもするな、なのだろうけど、内包された理由が、いつもわからない。
余計なことをされたくない、のかもしれないし、下手に闇のイグニスや炎のイグニスに接触すると、その考えに触発される、
と、思っているのかもしれない。時間稼ぎにもならないから、とりあえず頭数にだけ。そういうことかもしれない。ウィンディに誘われる形でこちらについたが、ライトニングが私程度のものを必要としていたとは考えられなかった。

「……ライトニング、」
「ん? どうした」

いくつものモニターの前で考え込んでいる背中に声をかける。ミラーLINKVRAINSに入ってきた五人のデュエリストと、さんにんのイグニス。それからおまけが二人。「私は、」できれば、イグニスとは戦いたくないけれど「どこへ出ていく?」ライトニングは、わざわざこちらを振り返って言った。

「君はいい」

ボーマンの同期は終わっているし、もう、時間稼ぎすら必要ないのかもしれない。それにしたって。ハルのデュエルを思い出す。

「ハルは」
「ハルはあれでいい」

ライトニングの言葉に迷いはない。

「君はいい、なにもするな」

そこまで言われたら、余計なことはできない、ライトニングの考えることは、よくわからないし「なにも」呟くと、ライトニングは深く頷いた。

「ここで座ってみているといい」

手招きされたから近寄ると椅子を用意してくれた。彼のもの言わぬパートナーの掌に運ばれて、椅子に座る。高級感のある、小綺麗な、いかにも彼の好みそうなデザインだけれど、サイズが大きすぎる。ひとりで使うには落ち着かなくて、私は膝を抱えてさらに小さくなった。「それでいい」ライトニングは少し笑って。

「そのうち君は、戦う理由を得るはずだ」

ウィンディとエコーの映るモニターを見ながら、そう、言った。


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20190117:ウィンディが生き残るルートを考えてるけどぜんぶろくな目に遭わない
 
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