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■夏祭りに行きたい話(Ver.Ai)

「夏祭り行かない?」
「ん? 伝言ゲームか?」
「いや……Aiを誘ってるつもりだったんだけど……」
「え!? 俺と!? なんでだ?」
「……いや、行きたいから、だけれど」
「そうじゃなくて、行きたいなら遊作でもいいんじゃないかと思ってさ。なんで俺が選ばれたんだ? もしかして、場所をとらないからとかそんな理由じゃないだろうな!?」
「そんな理由じゃないよ……」
「遊作に断られたから?」
「誘ってないから断られてもない」
「……ひょっとして、友達いないのか?」
「居る……けど……」
「じゃあなんで?」
「……理由は、まあ、ね! 置いておいて! 嫌なら無理にとは」
「置いておくのかよ……まあいいか、祭りって言うとあれだろ? 浴衣着たりするんだろ!?」
「着たいなーと思って」
「浴衣に……デュエルディスクって言うのは、アリなのか?」
「……いや! 有りだよ! 逆に斬新だって!」
「ああ! そういうことか!」
「え」
「ファッションの一部として誘われてるってことか!!」
「ええ……」

(でも浴衣姿は見たい気がした)

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■夏祭りに行きたい話(Ver.遊作)

「今日は、花火大会があるらしいぞ」
「そうなんだ? あ、でも確かにクラスの子たちそんな話で盛り上がってたかも」
「そうか」
「うん、みんな彼氏と行くとかで私は誘ってもらえなかったんだけど」
「……行きたいか?」
「んー、まあ、そうだね、浴衣着たりしてみたいかも」
「浴衣持ってるのか」
「行くことになったら買うよ、先月アルバイトがんばったし」
「行くか?」
「一人で?」
「いや、俺と」
「ああ、遊作とね」
「そうだ」
「……遊作と?」
「なんだ。何か問題があるのか」
「……一つ、クラスの子に目撃されたら目立つ。二つ、遊作は人混み苦手そう。三つ、男女が二人で夏祭りは恋人にしか見えない……みたいな?」
「別にいい」
「そうなの?」
「いいんだ」
「んん、じゃあ、行こう。ありがと」

(そうなればいいと願いさえする)

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■夏祭りに行きたい話(Ver.草薙)

「なあ」
「はい?」
「お前、浴衣持ってたか?」
「ありますよ」
「今年の夏祭りの予定は?」
「特に何も」
「俺と行くことに抵抗はあるか?」
「……大丈夫です」
「なら、俺と行かないか?」
「それって、アルバイト代出るんですか?」
「は?」
「え?」
「……」
「…………、店を出すから浴衣で手伝えって話では?」

(そうじゃない)

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20171202:長い夏だった。
 
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