とある平和な世界にてD/アクア


ある時、私の管理している場所で、死んだようになまえが倒れていた。私は何事かと近寄ってなまえを起こす。ウイルスという訳ではなさそうだ。ただ単純にスリープモードだったという、だけ、で……。
なまえの指先に泥がついているのを見つけた。なるほどこの子はまた。

「熱中するのはわかりますが、行き倒れみたいに寝ているのはやめてください!」
「ごめんなさい」
「見つけたとき物凄くびっくりするんですよ!」
「はい」
「サイバース世界に未知のウイルスでも流行りだしたのかと思うじゃありませんか!」
「あはははは!」
「笑い事ではありません!」
「はい……」

なまえは小さくなって、何をしているのかと思えば怒られながらも四葉をさがしていた。全くもう。どうしてこうも、存在すら定かではないものを一生懸命に探せるのだろう。

「次からは気をつけてくださいね……?」
「はい……、次からは貴女の居ないところでこっそり行き倒れます……」
「話を聞いていましたか……?」

私が言うとなまえは説教のおしまいを予感して立ち上がった。「じゃあまた」どうしてそうするのか、なかったらどうするのか、私なら彼女の真意がわかる気がして、質問を投げようとする。しかし、なんとなく、彼女のことを知りたくなくて、これで良いような気がして黙っていた。

「よう、何怒られてるんだ?」
「あ、」

きら、となまえの目が輝いた。
私はこれ以上注意することもないので、そうっとふたりから離れていった。眩しいくらいに、楽しそうな雰囲気だった。


-----------
20190201:眠い
 
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -