10万打おめでとう/ライトニング2


「夢ってどんなものだろうね」

私が聞くと、ライトニングはすぐさま言った。「どちらの夢だ?」と。返事なんて返ってこないかもと思ったのに、もしかしたら、ライトニングは夢について何か知っているのかもしれない。

「じゃあ、どっちも」
「どちらも、AIには理解できないものだよ」

面倒くさくなったと言う訳では無いようで、声音は明るく、不機嫌という風でもない。それ以外の答えはないのだとライトニングの中で決まっているのだ。きっと。

「何故、夢なんだ?」
「……なんだろう? 最近、ウィンディと話してると何だか、こう、夢を見てるみたいだなって、思う、から?」
「ほう?」
「幻想と話をしてる、みたい?」

ライトニングは立ち上がって、ぴとりと私の顔に触れた。冷たいような暖かいような。彼の感情が直に流れてくるのがわかるような。私は、「ごめん、大したことじゃなかったんだけど」ウィンディはきっと、リボルバーにこっぴどくやられて、気が立っているからそう思うのだろうとライトニングを真っ直ぐに見た。
ライトニングはゆるゆると頭を振った。触れている手のひらが首筋にかかる。痛くはない。ただ、ほんの少しだけ不安になる。

「いいや、それは問題だ」

私だってバカではないので、いくつかの可能性を思いつく。一番濃厚なのは、そうだな、彼がウィンディに何かしたから、とか、そんなところで。

「しばらく、ウィンディに近付くのはやめておけ」

私にも同じようにするのだろうか、と見上げていたのに、彼は私には何もせずに手を離した。いいや、もしかしたら、もう、なにかされた後なのかもしれないけど。
離れた手は、私の腕にかかり、私を引っ張って立ち上がらせた。ボーマンのところにでも連れていかれるのだろうか。ウィンディはボーマンには近付かないようだし。
私は何も答えず大人しくついていく。
微妙なバランスの上に私はたっていて、見ているものも、自分さえも本当のものかはわからない。
だと言うのに、間違いなくここは現実だとわかるのである。

「わかったか? なまえ」

夢であればいいのに、と私は思った。
夢が何かも、知らないけれど。


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20190503:リクエストありがとうございました!! ライトニング夢でしたー!!!

 

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