10万打おめでとう/ライトニング


本当のことや本心や、目的や情熱と言ったものが、あまり役に立たないことを知っている。そんな気がするとかそう見えるとか、あまりに確実性がなくって笑ってしまう。

「ライトニング?」
「何か用か、なまえ」

例の件、調べたからデータをどうぞ。私は一人の人間からデータを受け取り、その内容を確認した。過不足はない。優秀で、ビットブートやハルよりは役に立つ。奴らの次に考え得る捨て駒だ。

「ご苦労」
「うん、そちらは順調?」
「その質問には答えない。君がどこかしらから送られてきたスパイであるという可能性はゼロではないからな」

なまえは食い下がるようなことはせず、小さく肩をすくめて笑っていた。何が面白くて常に笑っているのかは、私や、ウィンディにはわからない。わかりたいとも思わない。

「ならば、そこにいるあなたのパートナーのようにしてくれたらいいのに」
「こいつには人質くらいの価値しかない、」

しかしまあ、なまえは、人間にしては優秀だ、リボルバーやプレイメーカーと並べても遜色がないくらいには。だから早々に壊すようなことはしない。使えるものは使ってやるとも。どうせ、なまえが彼らと並び立つことはないだろう。

「私にだって、大した価値はないよ」

これが謙遜であってもいいし、本音であってもいい。なまえはへらりと笑って、果たして私の中に何を見ているのか、すうっと目を細める。

「くれぐれも、私のことは好きに使ってね。誰かと縛り付けて宇宙に飛ばしてくれてもいいし、サーバーの中心で爆発したっていいんだから」

私は答える「承知しているとも」。
私達は鏡のように笑っていた。


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20190430:しなのさま、リクエストありがとうございましたー! ライトニング夢こんな感じになりました!

 

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