△鯖とぐだおくん△


最初に通りかかったのはマシュだった。「おはようございます、先輩。またそちらにいらっしゃるんですね」と、笑って、荊軻にもらったと言う飴を一つ置いていった。
次はロビンで「おたくも飽きないねえ」と呆れながらも笑って「窓のそばなんて冷えるんだから気をつけて下さいよ」と毛布をかしてくれた。
すぐあとに新宿のアサシンが片手をひらひらとさせながら歩いてきて、こちらを確認するなり「あ」とバツが悪そうにしていた。「あちゃあ、部屋にいないからここだと思ったんだが……。先越されちまったな」と、行き場のなくなった毛布を見ていた。「まあせっかくだし、これも使っておけよ」俺はお礼を言ってアサシンを見送った。

「とまあ、こんな感じで」
「ふむ。なるほど」
「継続は力なり、とは違うけど、ある程度予測されてるって言うのも気持ちがいいものだなあって」
「まあどこにいるのかわからないよりはいいだろうね。なにしろ君はたった一人のマスターなのだから。私としては、毛布組の言う通りに体を労わって休める時には部屋で休むべきではないかと思うが」
「毛布組」

実のところ毛布組は、もう二人くらい居るのだが、わざわざ言うこともないだろうと黙っておく。隣に立つシャーロック・ホームズは何を考えているのやら俺にはなかなかわからないけれど、難しい顔をしているので黙っておく。
まだもう少しここにいる、予感だが、きっといいことがある。

「マスター」

声がした方を見ると、赤色の弓兵が何やらタッパーを持って近付いてきていた。俺とホームズは一緒になって彼を見る。

「おっと。君たちが二人だけで一緒にいるのは珍しいな。だが、一人分には些か多いのではと思っていた。ちょうど良かったな」

エミヤは俺たちにタッパーの中身を空けてみせてくれた。ホームズが興味無さそうにしていたのは、漂わせている匂いで、中身がわかったからだろう。

「折角だ。二人で食べるといい」
「ありがとう」

用事はそれだけだったらしい、エミヤはさっさと食堂に帰って行ってしまった。俺はクッキーをひとつつまんで口の中に放り込む。

「うん。おいしい」
「そうかい。それはよかった」
「食べないの?」
「いいや。頂くとも。ただ、私も他のサーヴァント達にならって君になにか貢物でもと思ってね」
「いや、べつにそんなの、」
「楽しみに待っていたまえ」

言っても聞かない時の顔をしていた。


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20181204:真夏さん遅れましたがぐだおと適当な鯖が絡んでるやつです。収め下さい。

 

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