15万打リクエスト(22)


女子会、という言葉を覚えて来たらしい。そしてどこからか、女子会と言えばたこ焼きである、とも教えられたようだ。嵐のようにヒカゲとヒナタは家にやってきて、腰に手を当て、ぐっと胸を反り「お前も仲間にいれてやるぜ!」と声を揃えて言った。ホットプレート、まだ動くかな。



まずは買い物からだね。と言うと、ヒカゲとヒナタは紺炉さんに持たされたという飲み物とお菓子をくれた。「ありがたく思えよ!」「コンロからの差し入れだぜ!」と笑っている。紺炉さんにはまた会った時にでもお礼を言うとして、あと足らないのはタコとたこ焼きの粉くらいだろうか。キャベツはあるし、ネギも大量にある。冷蔵庫にあるものの確認が終わると、ヒカゲとヒナタは私の手を掴んで買い物へと連れて行ってくれた。魚屋に到着すると、まだうねうねと動いているタコを眺めて、ヒカヒナは「あひェひェひェ」と笑っていた。

「タコ気持ち悪ィな、ヒナ」
「この目、なまえにそっくりだな、ヒカ」
「待ってどういうこと?」

それを聞いた魚屋の主人が大笑いしていた。嘘だろ待ってくれ。笑われるということは言い得て妙ということでは。私は考えないようにしながらタコ(もう茹でられているものを)分けて貰った。
それからなにかチーズだとか餅だとか、そういうものを入れようかと思ったのだけれど、どこから女子会のことを聞きつけたのか、必要なものは店に行く前に貰ってしまった。
最後にホットケーキミックスとチョコレートを貰った。多分、情報が伝達される途中でおかしくなったのだろう。しかし私は貰えるのならとありがたく受け取る。

「ホットケーキミックスかあ」
「たこ焼きになんのか?」
「ホットケーキになるんじゃねェのか?」
「そうだね。丸いホットケーキができるよ。中にチョコとか入れると美味しかった気がする。その場合、チョコソースとかホイップクリームとかアイスとか用意しておくと……」

ヒカゲとヒナタを目を輝かせながらこちらを見ていた。本当に悪いのは口だけだな、と私は思う。

「それもやるとなると、三人じゃ厳しいかもね。タコ焼きだけでも結構量あるし」
「なら若も呼べばいいじゃねェか!」
「コンロも呼ぶぞ!」
「なまえの手抜き菓子食わせてやろうぜ」
「なまえの手抜き菓子バカになんねェかんな!」
「「うひェひェひェ」」

女子会では? という一言は黙っていた。私は大人なのである。決して「なまえの手抜き菓子大好き」と言われて陥落したわけではない。


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20200704:
リクエストありがとうございました!キーリさんから『ヒカヒナ』でした!

 

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