雑談@/サイタマ


その日はとても天気がよくて。

「春だな」
「春だね」
「花見とかしたくなるよな」
「いいね、みんなで」
「あれ作ってくれよ、今はやってる」
「おにぎりじゃないやつ?」
「そうそう、あ、サンドイッチとかでもいいな。この前のやつうまかったし」
「そっかー、フブキさんにも手伝ってもらおうかなあ」
「あいつかー、まあ賑やかそうだしいいか」
「ところでサイタマ」
「ん?」
「春と言えば桜なんだけどあれってどうしてだろうね」
「お前変なこと気にするなー」
「気になってるわけじゃないよ、自然にそうなった流れっていろいろ考えつくけど、結局いつからそうなのかなあって、素朴な疑問」
「それこそわかんねえ話だろ」
「まあ、結局そうなんだけどね」
「もしかして、あんまり春好きじゃないのか?」
「そーだねえ、嫌いでもないけど、夏の方が好きだねえ」
「あー、わかりやすいもんな。外に出る時服のこと考えなくてもいいし」
「うん、まあ、考えなくてもいいってことはないけど」
「そうか?」
「そう。あと、季節の変わり目って新しい服が欲しくなるなあ」
「俺はよくわかんないけど、そういうもんか?」
「フブキさんはわかるってさ」
「あいつはまあ、そんな感じするけど。お前がそんな事言うのなんか珍しいな」
「そうかな。あんまり買い物に付き合わせたりしないもんね」
「あー、そうだよな。もしかして、俺と一緒に行きたくないの?」
「いやいや、一緒にいかせたくないだけ。迷うのにも気を使うのやだし」
「女の買い物が長いって、やっぱりそんなイメージじゃないもんなー」
「うーん、そうかなあ」
「そうだって。そのうち付き合わせろよ?」
「んー? まあそのうちね。サイタマは服は?」
「買ってるだろ」
「セーターとか作ろうか?」
「マジで?」
「今から春が来て夏が来て秋が来るくらいに完成させるから」
「おお、なんかすげー時間かかるイメージだけど」
「はまるとそんなでもないですよ、わからないうちはわからないけど。それこそマフラーなんて無心で編んでいられるし」
「へー」
「リクエストを聞こうか? 何色がいいとか、どんな糸がいいとか」
「色はともかく、糸なんてわかんねえよ」
「よし」
「なに?」
「そうと決まれば買いに行こう」
「お」
「ちょうど暇だし、パトロールがてらね」
「そうだな」

公園での昼下がり、言葉は絶えることを知らず。

----
20160324:雑談をする、サイタマ編
春の話から脱線するまで。
 
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -