||| plus alpha なんとなく暗い気分で誰にも会いたくなくなることがある。 何かが欲しいような気がするのに、何も欲しくはない、そんな気分の時。 それでも学校を休むほどではなくてどうにか行くが、周りがどうにもお気楽に見えて、俺にはきっと馴染めないなんて考える。 「はい」 目の前に小さな袋が置かれる。 菓子だろうか適当なラッピングが少し面白い。 「なにこれ?」 「まあまあ」 お気楽代表のようなその女子生徒はへらりと笑って。 何故だか、どこか息苦しかったこのあたりの空気が軽くなった気がした。肺に入りやすくなった空気を吸って、それから次に吐いた息は腹のあたりに燻っていた重いなにかも混ざっていた。 気分が少し楽になる。 「今日も頑張ろうってことで」 アルミホイルのラッピングをそっと開けると甘い匂いが広がった。 たったこれだけの事で救われるような不調だった。 「ー、」 悪いなとも、ありがとうとも言えず、「お節介なやつだな」と俺は言ったのに、こいつは「どういたしまして」と笑っていた。 Nov 24, 2016 07:40 browser-back please. |