◇短編 | ナノ



正直に嫉妬するしかない

※3の続き


部活終了後。
二人きりになった部室。
ソファに座る宍戸と目が合った。

来い、来い。

手招くジェスチャーが繰り返される。
楽しさが隠しきれない口元。
釣り目のふちがほんのり赤いような気さえして。

鳳は着替えの手を止めて宍戸にがばりと飛びついた。
ぎゅう、としがみつくように抱きしめると、見上げた宍戸は満足げな笑みを浮かべていた。

銀の髪がふわりとやさしく梳かれ始める。
鳳は心地好くなり、指先にまどろみを覚えゆっくり瞳を閉じた。
のだが。

「――いった、いたたたた!痛い、宍戸さん、イタイっ!」

ぐいぐい髪を引っ張られる。

「うわわ、わ、な、なに、え?何です?!」

かと思えば、くしゃくしゃと滅茶苦茶にかき混ぜる。

最後にぎゅっと頬をつねられて。

「お前は俺の」

鳳はキョトンとして、かぁっと頬を染めて、ムッとした。

俺だって。
膝枕より、もっともっと、すごいことしてもらいます。

ジロー先輩よりも!


「ふうん。何すりゃいいんだよ?」


「…宍戸センパイ、可愛い恋人の抱き枕になって?」




End.





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