所有物だと確認したい衝動 すでに勝手知ったる鳳の部屋。 宍戸はさっき、暖房の設定温度を弄っていた。 あっついな。 けれど宍戸は寒いのだろうと思い、鳳はカーディガンを脱ぐことにした。 しばらくして姉に少し降りて来いと呼ばれた。 鳳は宍戸に謝ると、宍戸は気にした風もなく手をしっしと振った。 そして。 鳳が部屋へ戻ると宍戸が寝ていた。 鳳のベットでうつ伏せになり、どうしてかその下に鳳の脱いだカーディガンを広げ、顔も身体もそれへ埋めて。 「……」 可愛い。 鳳にはよく分からない奇行だったが、その姿はあどけなくて無邪気で、愛しさがこみ上げてくる。 鳳はベットに近寄り肘をつくと、飽きることなくその寝顔を見つめ続けた。 End. 前 次 Text | Top |