◇短編 | ナノ



相乗効果

「宍戸、見てみて〜!」

振り返るとジローが巨乳になっていた。
サッカーボールか?

「くっだらねーなあ」
「うしし!がっくんやったらね、忍足の顔、真っ赤だったって!」
「小学生かよ。アホだな〜」
「だから宍戸も鳳にしてみて!」
「はぁ?…あいつとかドン引きしそうじゃねえ?」
「じゃあさ、鳳がちょっとでも喜んだら帰りコンビニでなんかおごるし!」
「んー。こずかい前だし働くか」
「やったー!」

というわけで、コートの隅でストレッチしている長太郎に近寄って行った俺とジロー。

「長太郎」
「あっ、ししどさ…わあ!なんてことしてるんですか!」

実験大成功。
長太郎のやつ、顔を真っ赤にして大慌てだ。

「こんなんで喜べるのか、長太郎…」
「今日のおやつだぜ!メロン!」

そういえば、ふくらみはボールじゃなくてメロンだった。
跡部からの差し入れで、一玉一万円もするというから、庶民の俺はものすごくドキドキしてしまう。ジローは勇者だ…。

「宍戸さん、出して下さい!小学生じゃないんだからっ」
「え?」
「メロンのせいでシャツ上ずって、お腹見えてるじゃないですか…なんかほっぺも赤いし!まずいですよっ!」

そういえばコイツは俺の身体で充分興奮できるヤツだったか…。




End.





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