◇短編 | ナノ



愛が生まれた日 ジロー編

この木の下は、昼寝に最高〜。
今日は真面目に部活やろっかなぁとか思ってたんだけど…予定変更ね。
思い通りに生きられるなんて、そんなの人生じゃないよ?
…あー…、…早速…ねむ、け、が……



……ん…?

なぁに?
だれ?

…ああ、宍戸と…オートリじゃん。
俺を迎えにきたって?あとべに言われたから?
えー、やだよ〜、まだ寝てないもん。
あぁもう、耳元でがんがん怒んないでよ、宍戸。
わかったー。わかったから。
そんなら、チョタローがおんぶしてってくれるなら、いいよ?
わー、宍戸がもっとうるさくなったっ。
自分で歩け、甘えんじゃねぇジロー!……って、…………いーじゃん。
いいじゃんいーじゃん。たまには甘えたっていーじゃんか。樺地はいつもおんぶしてくれるよ?今日はチョータローの気分なの。
じゃないと俺行かないー。ここで寝るもん〜。
寝たいって言ってるのに、ちょっとおんぶしてくれたら練習戻るってゆってるじゃん。
これすんげー譲歩してるじゃん?オートリだって、いいですよ宍戸さん。俺、ジロー先輩おぶってきますよ、とか言ってるじゃん、ほら。
あ、宍戸が諦めたっぽい顔しはじめた。
……ちっ…しょうがねぇな…今回だけだ。
…って、宍戸………すっかり「長太郎は俺の物」気取りだよ…ジャイアンじゃないんだから。

はぁー、もう。
おんぶしたらしたで、むっつり顔だし。……宍戸のバカ。
チョータロー、宍戸のやきもちがこわ〜い。
って言ってやる。
あー、怒った怒った。
それとも図星なの?顔、真っ赤じゃん。
ん?オートリは耳赤くする必要ないから。
なに本気にしてるの?
ハイハイ、あとで勝負してやるよ、宍戸。
俺だって負けねえし〜。

……あーあ。
目ぇ覚めちゃったじゃん。




End.





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