21 *** 翌日には俺の心の声は聞こえなくなっていた。 長太郎はひどく残念そうな顔をしていたが「まぁ夜の貴重なシーンでの心の声が聞けたからいいかな」と開き直ったので、ゲンコツしておいた。 なんだよ、マジでムッツリ野郎だな。 まぁ初めて見るエロい顔やら仕草にたっぷり萌えさせてもらいましたけども? 俺は制服の下に忍ばせた、長太郎と揃いのクロスをシャツの上から撫ぜた。 あー、素肌に揺れるクロスもっかい見てぇ。もっかい見てぇな〜〜。 「なーに、にやにやしとんねん。あぁ、土曜日の夜はお楽しみやったかな?」 「!?!」 振り返ると忍足がいた。 「な、なんのことだっ」 「むふ」 「き、きめーんだよ!なんだその目は」 「俺の誕生日プレゼント、使こてくれた?」 「誕生日……あぁ、あのクソ不味いスポドリ?」 「味は堪忍してや〜。開発者の眼鏡が味覚音痴やねん」 「はぁ?あれ手作りかよ」 「お前も他校の連中と焼き肉やったときに、似たようなの飲んでたやろ」 「ま、まさか……あまりの不味さに店を飛び出して走り出してしまったときの、あれか!?」 「あれとは効果がまったく違うけどな」 「効果……。ハッ!まさか、」 「なぁなぁ、どっちがどっちを飲んだんや?えっと、俺の予想やと、鳳は心の中でも宍戸さん宍戸さんうるさいに300円。え?出来レース言うなや〜」 「間違ってるし言ってねーよ変態クソ眼鏡」 「……わーお。全然怒っとらん」 「確かに忍足のせいで恥ずかしい思いしたけど、俺、」 「な、なんや。お兄さんに言うてみぃ?」 「………一生、長太郎のファンでいるぜ」 「よっしゃぁぁ!!!薄い本作ろうやないか!!!!」 「はは、ねーよ」 End. (Happy Birthday! Ryoh Shishido♪) 前 次 Text | Top |