20 だって、何度考え直しても……ちょっと……この現実を受け入れるのに時間が掛かりそうなのだ。 もちろん、長太郎を好きな気持ちは変わらない。 でも感情的に納得いかねー。マジかよー。 相手の女、許せない。 「え……し、宍戸さん……」 長太郎はイケメンなのにどこか純粋であどけなさの残るところが魅力なのに。 それを奪った女がこの世に存在するなんて。 あーっ、これ長太郎に丸聞こえなんだよな! ドン引きだろうなー。 分かってるのに止まらねえよ! 「ちちち違うから、長太郎。あの、俺、パニック起こしてて、普段の100倍気持ち悪いかもっ。なーんてな」 わざと明るく言ってみたが、やはりこんな状況では効果などない。 長太郎は深く俯いて、数十秒後、バッと顔を上げた。 あ、あれ? 瞳がすっげー輝いているぞ。 「一生、大事にします!」 「……は?」 「宍戸さんが嫉妬してくれるなんて、信じられないです。不謹慎に喜んでしまってすみません。でも、嬉しいよ……俺のことを、宍戸さんが……もっと束縛したって全然構いませんからね。あぁ……もう、ぐっちゃぐちゃに犯したいな……あー、俺も本音出ちゃいましたね、ごめんなさい。今のスルーで」 「へ、」 色々ツッコミたかったが、また濃いキスが始まって、俺は唇も思考も閉ざされた。 キス、これで何回目だっけ? 戸惑いはまだあるが、だんだん慣れてきたのか、ちゃんと興奮しはじめている。 しかも長太郎の下半身が密着してくるから、俺の息子がやばいことになってきている。 な、なんだこの反応っ。 つーか、 「昨日抜いたのに、早いですね」 「なっ!?」 「ごめんなさい。さっき聞いちゃった。でも、これからは恋人同士なんですから、隠さなくてもいいじゃないですか。ね?」 いやいや、恋人ってそういうものだったか!? さっきからちょこちょこ引っかかってはいたが、そろそろ俺も気が付いていた。 こんな俺を好きだという長太郎も、ただの天使ではないようだ。 かなりオカシイところを隠し持っているようだ、と。だが、快感で頭がぼんやりかすんでしまった俺は、その事実を目の前にして、冷静な状況判断などできやしなかった。 「んっ、だ、ダメだって」 「大丈夫」 「でも、あ、ほら、マッサージの続き」 「ああ、はい。次は俺が宍戸さんにする番ですね」 「あっ……ま、待ってくれ……」 パンツにのびてきた長太郎の手を止めると、やんわりシーツに縫い付けられた。 「大丈夫、待ちますから。今日は、ちょっと触るだけ」 それって待ってくれてるのかよ。 俺の心の声は確かに聞こえたはずなのに、長太郎は手を止めなかった。 前 次 Text | Top |