14 「く、苦しくねーか?」 「俺は大丈夫ですけど、……宍戸さんは大丈夫?」 「あ?大丈夫に決まってんだろ、ハハ」 いやだいじょばない、だいじょばないから。 どうしよう。もうここから一歩も動きたくねえ。 なんだこの素晴らしい乗り心地は……。 腰、筋肉あるしやっぱ太いなぁ。 がっしりして逞しい肩だなぁ。 憧れの肩甲骨は……なんつー曲線美だ! 俺はやましい気持ち無しに触れるだろうか。 おおう。 耳たぶが少しピンクだ。 こういう男らしさだけで終了しないとこが天使だよなー。 くく、湯ざめしてないんかよ? ふにふにしたら、くすぐったがるかな。恥ずかしがるかな。 つーか猫っ毛の銀髪がふわふわしてて可愛いーっ。 もふもふしてえー! 「し、宍戸さん、どうぞ?」 「……あ、ああ!じゃあ、肩からやるぜ!」 「は、はい」 アアあヤバい。 真面目にマッサージしなきゃ。 でもイタズラしてえ。くすぐったりプロレス技かけたりしてえぇぇっ! 「し、宍戸さん?」 なかなか動かない俺を、さすがに不審に思った長太郎がビクビクと怯えた目線だけ寄越した。 あっなにこの背徳感っ。 「ご、ごめん。今やる」 だがしかし、隠れファンでチキンな俺は普通に腰を揉みほぐしはじめた。 本気でやばいから三国志の登場人物でも唱えよう。 しかし俺も男だ。やはり目線は形の良い耳を、いや、淡い桃色に染まった耳たぶをガン見したまま逸らせない。 なんでソコだけ恥じらいがあるっつーか、可憐っつーか、天使のように愛らしいんだろうな。 余裕がでてきたら脇腹くすぐってやろうと思ってたけど、なんかもうそれ以上に耳が萌える。 あれに噛みついてみたい。 いや、えっと、舐める?いやいや、撫でる? だめだ、長太郎に気持ち悪がられないように自然に触れたい! ううん、どう考えても厳しい。 仕方ない。 ヤンチャな先輩ぶって、ふざけて引っ張ってみることにしよう。 前 次 Text | Top |