11 「うん」 袋の中にはブルーの紙に包まれた箱が入っていた。 リボンを解き、そっと蓋を開けると、シルバークロスのネックレスがきらりと反射した。 おぉ……! 感嘆のあまり、驚きと喜びを声に出せたのかどうかは分からない。 かっこいい! まさに長太郎のように気品のある輝きだ……! それに、これは、その、天使に対しておこがましいけど、も、もしや、 「えっと、おそろい、にしてみました……」 だよな!?! 「あの、俺のこれは祖母から受け継いだものなので、まったく同じってわけではないんですが……クロスはぴったり同じ寸法なんです」 長太郎……定規持っていろいろ探してくれたのかな……。 すげーきれいだ。 かっこいい。 「……ふふ。チェーンはね、宍戸さん首すらっとしてるし、デコルテも綺麗だから細身のものにしてみました」 デコ? 「いつもスポーツカジュアルな服装が多いけど、シンプルなデザインなのでたまには使ってもらえるかなって思ったんですが……」 いやいやいや、もったいなくて使えるか! 保存用! 永久保存用!! 「つつつ使って下さいね!絶対!使って欲しいです!」 「わ、分かった……」 うーん、もったいないけど、長太郎が言うならそうしよう。 ただし一ヶ月は観賞用に飾らせてもらう。 「て、てかこれ、高いんじゃ…」 「全然です。俺、ちょっとずつお小遣い貯めていたんで」 「そ、そうか」 CDやシューズなら俺も相場が分かるが、アクセサリーはさっぱりだ。 絶対に俺が思うより高いだろうけど、長太郎がそう言うのならごねるべきじゃないよな。 とととというかこんなしっかりした贈り物もらったことないからどう対応していいのか分からねえ! 「じゃあ宍戸さん、それしてるとこ見せてもらえませんか?」 「え」 ええっ。 いや、これ、一ヶ月、観賞用であって…… 前 次 Text | Top |