02/08:背中。 宍戸さんも俺に甘えてきてくれる日があるんですよ。 例えば、昨夜もそうですけど。 寮のベットは二段ベットで、上が宍戸さんで下が俺。 暗闇に目を閉じていたら、上から「まだ起きてるか?」と声を掛けられました。 起きてますって言うと、 「…そっち行っていい?」 こ、これはいつまでたっても慣れない。すごいドキドキさせられる…。 まぁ、ただ寄り添って眠るだけなんですけど。大抵はね。 この状況がもう緊張します…。俺が誘うのはいつものことだけど、宍戸さんがこっち来てくれるなんて珍しいから。 急に愛情見せてくれるから困るんだよ、この人。 いやいや。 まったく困らないですけど! で、いつも尋ねる質問。 「今日はどっち?」 俺が無理やり選択肢与えているんですけどね。 最近は諦めたのか適当に選んでくれます。 …ということにしてあげます。 「んーと、…背中」 背中。 俺が宍戸さんを後ろから抱きしめて眠るときは、こんな答え。 もう一つは向かい合って抱きしめる方なんですけど、そっちはなかなか選んでくれないっすね。 …多分、そっちの方が恥ずかしいとか思ってるんですよ。 どっちも変わらないのにな。 放課後あたりから機嫌悪そうだったのに、一緒に寝てくれるとは思わなかったなぁ。 うれしい。 なんて考えていたら「おまえ心臓ばくばくいってる」ってクスクス笑われました。 ギュッてくっついてたから、背中から伝わったの? あのね。 俺はいつもくっつきたがるけど、慣れたりはしないんですよ。 俺の腕に触れるあなたの胸が、密かにドキドキしているように。 前日 翌日 ちょ誕企画 | Text | Top |