◆中学生日記 | ナノ

02/08:背中。


宍戸さんも俺に甘えてきてくれる日があるんですよ。
例えば、昨夜もそうですけど。

寮のベットは二段ベットで、上が宍戸さんで下が俺。
暗闇に目を閉じていたら、上から「まだ起きてるか?」と声を掛けられました。
起きてますって言うと、



「…そっち行っていい?」



こ、これはいつまでたっても慣れない。すごいドキドキさせられる…。
まぁ、ただ寄り添って眠るだけなんですけど。大抵はね。
この状況がもう緊張します…。俺が誘うのはいつものことだけど、宍戸さんがこっち来てくれるなんて珍しいから。

急に愛情見せてくれるから困るんだよ、この人。
いやいや。
まったく困らないですけど!


で、いつも尋ねる質問。

「今日はどっち?」

俺が無理やり選択肢与えているんですけどね。
最近は諦めたのか適当に選んでくれます。
…ということにしてあげます。

「んーと、…背中」

背中。
俺が宍戸さんを後ろから抱きしめて眠るときは、こんな答え。
もう一つは向かい合って抱きしめる方なんですけど、そっちはなかなか選んでくれないっすね。
…多分、そっちの方が恥ずかしいとか思ってるんですよ。
どっちも変わらないのにな。

放課後あたりから機嫌悪そうだったのに、一緒に寝てくれるとは思わなかったなぁ。
うれしい。
なんて考えていたら「おまえ心臓ばくばくいってる」ってクスクス笑われました。
ギュッてくっついてたから、背中から伝わったの?

あのね。
俺はいつもくっつきたがるけど、慣れたりはしないんですよ。

俺の腕に触れるあなたの胸が、密かにドキドキしているように。


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