02/07:あの歌。 今日は監督の都合で部活がお休みになりました。 一緒に帰ることになり、玄関で宍戸さんと待ち合わせ。 外靴を出そうと下駄箱開けたら、バレンタイン仕様の包みがありました。 それを見つけた瞬間、後ろから宍戸さんに「よう」って声をかけられて、びっくり。 あ。今日はチョコのお願い、考えてなかった。 そこでふと昨日の「バレンタイン・キッス」を思い出したんですよ。以前、忍足先輩に付き合わされて歌ったことがあるんですけど、その歌詞の内容が、いじらしいというか…もし宍戸さんが歌ってくれたらかわいいなぁ、とか… 夕暮れの公園に俺を呼び出して、宍戸さんはチョコを渡すんです。 でもそれだと他の子たちと一緒で目立たないからって、実はもう一つプレゼントを用意してある宍戸さん。 少しの沈黙の後、意を決した宍戸さんは俺の腕の中に飛び込んできて、頬を染めて…わざとらしくあの切れ長の黒い瞳をつぶって、キスをあげちゃう… …とか、そんな歌詞だったかな?えっ?かなり違います?すみません、へへ。 「おい」 「…え?」 「チョコ持って何ニヤニヤしてやがんだよ。…俺、先帰るぜ」 「あっ、これは…すみません。って、待ってくださいよ!」 「ついて来んな、バカ!」 思ったんですけど、いくら宍戸さんがかわいくお願い事聞いてくれても、俺が格好つかないのは幻滅されますよね…。この通り、俺はただでさえ思ったことが顔に出ますし…。 お願いも、なんでもいいってわけじゃない? というか宍戸さん、怒ってる…? 前日 翌日 ちょ誕企画 | Text | Top |