03/14:ホワイトデー。 5日ぶりに宍戸さんに会ってとてもドキドキした。 久しぶりだし、私服姿だし(赤のキャップが可愛い)、あと、ホワイトデーだから。 本当は後にしようと思っていたけど、今すごく宍戸さんが好きな気持ちでいっぱいだ。 今、渡したい。 「宍戸さん、これ…バレンタインのお返しです。受け取って下さい」 「へ?俺に…お返し?」 やっぱり忘れてた。宍戸さん、今日がホワイトデーなのは気付いてる…よね? 「ほら、ジロー先輩と向日先輩経由で宍戸さんからのチョコを俺に…」 「ああ!あれかよ。はは…あんなのにお礼くれんのか。サンキュ。悪いな」 「いえ。俺、宍戸さんからチョコもらえてすごくうれしかったんで」 実はあの時、板チョコがなかったら他の方法でバレンタインチョコをもらおうなんて考えていた。 今日会えるかもしれないと思ったから、あの日どうしても欲しかったんだ。 「あんまチョコチョコ言うな。恥ずかしい奴」 「あなたが照れ屋さんなんですよ」 そう言うと、宍戸さんは口を尖らせる。 「どうだか。それより長太郎の思考が女っぽいってか、夢見がちっていうかさ……今だから言うけど、前に聞かされた俺とおまえのマイホーム計画とか正直ドン引きだったぜ」 「えー!せっかく一生懸命考えたのに。…でも日吉も砂吐きそうとか言ってた…」 「っおい、なに若に話してんだ!」 「大丈夫ですよ宍戸さんの名前は伏せましたから。お嫁さんって言っておきました。…まぁ、宍戸さんは俺のお嫁さんだけど。えへ」 「誰がてめぇの嫁になるかよ。100年早いぜ」 「ということは…俺が114歳になったら…」 「そこは死んどけ」 「…すごくいい計画だと思うのに」 意気消沈してとぼとぼ歩いていると、宍戸さんはぷっと吹き出して俺の背中をバシッと叩いた。 「そんな計画、激ダサだろ。だから俺以外には話すな、長太郎」 (中学生日記/おわり) 前日 ちょ誕企画 | Text | Top |