◆中学生日記 | ナノ

02/23:予測不能。


「ピ…ピ…ピーターラビット」
「トか。ト…トマト」
「またトですか」
「ト」

ト…ト…なんて呟いて考えるふりをしながら、内心しりとりなんてどうでもよかった。

ベットに寝転がって日吉から借りた小説(今のところは怖くない)を黙読すること数十分。
見ていたテレビを放置して宍戸さんがベットの端まで寄ってきた。
気になったけど、それでも無視して本を読んでたらいろいろ話し掛けられて、最終的にしりとりをすることになった。

「トランペット」
「ラッパ?」
「そうです。金管楽器」
「またトか」

特にルールもなく、制限時間もなく、永遠に続きそうなしりとり。
読書片手にでも十分相手をできる。
一方、宍戸さんはそんな俺に焦れてだんだんこちらへ身を乗り出してきていた。宍戸さんもしりとりなんてどうでもいいんですよね。
もう少し素っ気ないふりしてたら、きっと傍に寄り添って…はくれないけど、ベットには乗ってくるはず。
そうしたら抱きしめて捕まえよう。
こんなかわいい宍戸さんに耐えるのもあと少しの辛抱……

「とんがりコーン。あっ」

必殺の瞬殺。
我慢出来ずに引き寄せたら、軽く殴られて本を奪われた。


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