◆中学生日記 | ナノ

02/22:送。


くたくたながらも寮に帰る足取りは軽くなる。
ドアを開ければ宍戸さんが「おかえり」って言ってくれるのが楽しみで。
階段を上ろうとしたところで跡部先輩と鉢合わせた。珍しいな。後ろに樺地がいない。

「俺様だって個人的な用事が山ほどあんだよ」

その手には「卒業式の答辞だ」そうです。
…宍戸さん達はもうすぐ卒業だもんなぁ。
寮を出て行くのは今月末だ。

「おまえだってリードもなしに放し飼いじゃねぇか。…たまにはご主人様も構ってやれよ。あいつも仕方ねえあまのじゃくだからな」

じゃあな。気がつくと跡部先輩の部屋の前。
ドアの閉まる音を聞きながら複雑な気持ちになる。
そうだなぁ。リードはもう付いてない。自覚してる。
あとは期限切れ間近の小屋だけ。




あー。

やっぱり寂しいなぁー。


前日 翌日

ちょ誕企画 | Text | Top