◆中学生日記 | ナノ

02/14:特別な日。


今日はすごかった。自由登校で現れた跡部先輩率いる男子テニス部3年生レギュラー陣にバレンタインチョコを渡そうと、学校中が大騒ぎだった。それに、俺達2年生も巻き込まれたわけですが…。

明日にはジロー先輩や向日先輩がいくつチョコレートを貰えたか聞きに来るだろう。
俺もぜひ宍戸さんに同じ質問をしたい。

今、両手に“勝利”の重みを感じるんです…!



「チョコの個数勝負、覚えてますよね?」

勝った方が命令を…とウキウキしながら続ける俺に、宍戸さんは無表情で接近してきた。
目の前に鋭い目つきで仁王立ちすると、俺の手からチョコレートの入った紙袋を奪い、玄関の隅まで置きに行った。
宍戸さんのチョコが詰まった紙袋もそこに放置されている。あ、やっぱり大量…というか、数えないの?

宍戸さんは俺を床に座らせて、肩を押し倒すと跨がってきた。
昨夜背中にしがみついてきた指がするりとネクタイをほどく。

「宍戸さん?何をす」
「…やっぱ疲れたわ」
「えっと、それなら休みま」
「す…っげぇ、疲れた」
「すみません。昨日、俺が何回もし」
「長太郎。激疲れたんだよ、俺は」



この会話後、すごく疲れているらしい宍戸さんになぜか襲われました。

バレンタイン?誕生日?どっちでもいいけど、俺は宍戸さんに包まれて最高に幸せです。
今日生まれて良かった。

チョコ勝負の結果は明日に延期。


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