02/11:悲喜劇。 週末は誰かの部屋(だいたいは忍足先輩達の部屋)に集まるのが恒例になっている。 それは楽しいんですが…そのあと。 宍戸さんてば、はしゃぎ疲れて忍足先輩のベットにジロー先輩と寄り添って寝ちゃうんです。何回注意してもそうなる。 俺という者がありながら、あなたは何をしているんですか…! 「いいじゃん、鳳。侑士はその辺転がしとくからさ」という向日先輩。「ちょお酷いわ、それ」と忍足先輩が返すと「それとも侑士連れてく?」って振られたけれど…それはちょっと…。 「おまえら人をなんだと思って…」 「ごめん、侑士。ホントごめん」 「笑いながら言うなや…っ」 向日先輩の愉悦の表情を見ながら、埒が明かないと思った俺はいつもの強行手段に出た。 「宍戸さん。起きないならお姫様抱っこして帰りますよ。いいんですか?」 これにはさすがの宍戸さんも飛び起きる。俺達の関係は誰にも秘密ですからね。 「……うん…、頼むわ…ちょたろ……」 俺が硬直する後ろで二人の先輩の笑い声。「ち、ちょたろだって…寒い!!」「アホやこいつ…!」とか何とか、相当ツボに入ったらしい。 「お…起きて下さい!宍戸さん持って帰るの大変です!」そんなこと全然ないけど、そう叫ぶしかなかった。どういう訳か俺が一番恥ずかしい気がする。 そうしてしばらく必死に起こしてみたのに、反応はまったく無い。 「鳳ー、そろそろ諦めて侑士をお持ち帰りするか宍戸をお姫様抱っこするか決めろ。俺もう眠い」 飽きたようにそう言われて、俺は苦渋の末に最初から一つしかない選択肢を選んだ。 ニヤつく向日先輩方に散々携帯カメラを向けられ、宍戸さんを横抱きしている写真を撮られたのは抵抗しようもないことだった。 前日 翌日 ちょ誕企画 | Text | Top |