好きだから 4 「ばーか。ばーか。長太郎のばーか」 「ご、ごめん、亮くん」 「ふん。謝って済むなら弁護士いらねーよ」 「ゔ・・・」 宍戸のこの一言は効いたらしく、鳳はしょぼんとしている。 鳳はゴムを着けずに中出しをしたので、宍戸の機嫌を損ねてしまったのだ。 「だから、俺が中の出しますから」 「ここ(教室)でしたくねぇって言ってるだろ」 そう言いながら、宍戸は自分の身体を抱きしめている鳳の手を叩いた。 セックスしといて今更な・・・。 と、鳳は言いそうになったが、そんな事をしたら暫く口をきいてもらえなくなるので、黙っている。 どうすればいいのかと、鳳がおろおろしていると、腕の中から笑い声がした。 「ぶはっ。激ダサだぜ、長太郎。大人の癖に、落ち込んだ犬みてぇ」 「・・・亮くんのせいじゃないですか」 鳳はむすっとして、宍戸の首に顔を埋める。 そんな鳳の態度に、宍戸はまた笑ってしまう。 情けない長太郎も、犬みたいな長太郎も、普段の長太郎も、ヤってる長太郎も。 全部が好きだって、俺、完璧ヤバいな。 でも、それでもいいかと宍戸は思う。 「じゃ、一週間夕飯作るなら許してやる」 「え!?」 「文句あんの?」 「・・・ないです」 その言葉に、宍戸はよし、と頷く。 結局、何をされても宍戸は鳳を許してしまうのだ。 それは全て、相手が好きだからこそ・・・。 End. 前 次 Text | Top |