◇いただきもの | ナノ



好きだから 4

「ばーか。ばーか。長太郎のばーか」
「ご、ごめん、亮くん」
「ふん。謝って済むなら弁護士いらねーよ」
「ゔ・・・」

宍戸のこの一言は効いたらしく、鳳はしょぼんとしている。
鳳はゴムを着けずに中出しをしたので、宍戸の機嫌を損ねてしまったのだ。

「だから、俺が中の出しますから」
「ここ(教室)でしたくねぇって言ってるだろ」

そう言いながら、宍戸は自分の身体を抱きしめている鳳の手を叩いた。

セックスしといて今更な・・・。

と、鳳は言いそうになったが、そんな事をしたら暫く口をきいてもらえなくなるので、黙っている。
どうすればいいのかと、鳳がおろおろしていると、腕の中から笑い声がした。

「ぶはっ。激ダサだぜ、長太郎。大人の癖に、落ち込んだ犬みてぇ」
「・・・亮くんのせいじゃないですか」

鳳はむすっとして、宍戸の首に顔を埋める。
そんな鳳の態度に、宍戸はまた笑ってしまう。

情けない長太郎も、犬みたいな長太郎も、普段の長太郎も、ヤってる長太郎も。
全部が好きだって、俺、完璧ヤバいな。

でも、それでもいいかと宍戸は思う。

「じゃ、一週間夕飯作るなら許してやる」
「え!?」
「文句あんの?」
「・・・ないです」

その言葉に、宍戸はよし、と頷く。



結局、何をされても宍戸は鳳を許してしまうのだ。

それは全て、相手が好きだからこそ・・・。




End.





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