明日の自分へ ※学校行事にまつわる設定 「ああ、宍戸。ちょっと見せたいものあるんやけど」 「何だ?忍足」 「トリなぁ…やっぱりあいつ、童話に登場する王子様やったで!?」 「あぁ。分かってるよ。明日の学祭の劇で、だろ?白雪姫だっけ」 「ここに今女子の間で大ブレイク中の写メがある」 「ん?――うわ…」 「ジャーンッ!衣装試着中の麗しきプリンス・チョータローや!!きりっとした表情に全米が痺れたとか…!」 「大げさ。一部の女子だろ?」 「や、それを言うなら全校の女子やろ…。え?もちろん俺には負けとるけどもな?」 「自分で言うな。つーか全米ウソじゃんか」 「そんなん売り文句やーん!…ちゅーかこのトリ、珍しく引き締まった顔しとってえらいオトコマエやないか?ええやろ?惚れ直すやろ〜??欲しくなぁい?コレ」 「別にいらね。つーかこの長太郎、ガチガチに緊張してねぇ?」 「そか…?まぁ、舞台リハ直前にこっそり撮ったんやけど」 「はは。やっぱり。相変わらずプレッシャーに弱ぇし」 「でもな、巷では鳳王子のキスで目覚めたいとゆう女子が下級生から上級生まで血眼で殺到…」 「うわ!何だこれ。これも!…うわぁ…!」 「へ?…ああ、それか。それなぁ、劇のリハーサル終わった後にがっくんとジロちゃんと突撃パパラッチしたやつや。噂のプリンスに迫るつもりやったんけど…どれもこれも取材班に気付いたトリ王子が照れて騒いでもうてなぁ…ブレとるのもあるし王子様くずれや。全部お蔵入り。…宍戸、なんか震えてへん?」 「…か、かわいぃ…」 「?なんか言うた?」 「なぁ忍足、ちょっと携帯貸してくんねぇ?すぐ返すからよっ」 「え?宍戸くん?あれ…赤外線通信しとんのか?ん?受信しまくりやんか自分!え?え、なんで??」 「えーと、コレ!あとコレもだな。ぷ、すんげーアホ面だぜ。激ダサ!」 「…」 「やば…明日すげぇ楽しみだぜ…」 「…宍戸」 「んー?」 「俺も…俺も隣で…鳳の劇、観てもええかなぁ?」 「おう、いいぜっ。静かに笑えよ?」 End. ギャップにときめく宍戸くんが見たかった忍足くん。調査不足でミッション失敗。 前 次 Text | Top |