◇会話文 | ナノ



虹の正体

「鳳クン」
「あ、忍足先輩。こんにちは。ちょうど部活終わったとこなんですけど…」
「様子見に来たんやない。それより急いでんの!ちょお、コレ聞いてみてや」
「え…携帯すか?」
「さっき録音したんや。ええか、落ち着いて聞けよ?題して『宍戸くんの性・生・活♪インタビュー!!』」
「は、え!?ええぇっ!!?ど、どういうことで」
「旦那ったら落ち着いてぇなぁ〜。ほないくで」
「え?!え?!」




『…そりゃあ、やんのは大切なことだろ。あ?昨日も長太郎としたけど』

ピ。

「ちょっ、忍足先輩なんですかコレ!ここ、こんな赤裸々なこと…っ」
「よし、続きを聞こうか」
「いや、そのっ…、き、聞きます!」

『聞いてどうすんだよ。あ?…独りで?……するだろ、そりゃ。…まぁ、それなりにスッキリするけど…なんか足りねぇよな。俺はやっぱり二人で…ちょっと痛いくらいがいいぜ。ちょっと、な?』

ピ。

「…っ宍戸さん、痛いの好きだったんだっ!?」
「まぁまぁ。このあとを聞いてもらおうか」
「ぜひお願いします」

『けどさー、長太郎って雑なとこあるっていうかさ…たまにマジ痛ぇんだよな…。前、こう、急にグッてやられて思わず呻いたし。力加減できないからアイツ。最近は上手くなったけどなー』

ピ。

「気をつけないといけませんね…!」
「けど、最近上手いとさー」
「今すぐ抱きしめたいです!」

『え?俺んとき?…俺は上手いぜ。長太郎の身体のことなら、どこをどうしたらいいかなんてだいたい分かる』

ピ。

「俺っ…愛されてる!絶対愛されてる!」
「宍戸くんたら大胆」
「けど、あの時の宍戸さんは上手いっていうか可愛い、かな?えへ」

『そうだな…アイツってデカいからちょっと困ることもあるけどよ。なんつーか…厳しい体勢のとかあるじゃん?こう腕回して背中に…ってやつとか。ああいうのはきついからちょっとな。不満じゃねぇぜ?俺の鍛え方が足りねぇだけだと思うから』

ピ。

「えぇー、俺は色々試してみたいんだけどなぁ」
「愛と欲望がせめぎ合う、難しい問題やな」
「あぁ、本当に悩むな…。でもやっぱり宍戸さんに無理させたくはないっすね」

『…は?週に何回って…、そんなん毎日したほうがいいに決まってるだろ。休日も平日も関係ねぇよ。常に身体を慣らしておくことがだな、その…』

ピ。

「ま、ま、毎日!?ししし宍戸さんったら…!激しいのか激しくないのかどっちなんすか…!?」
「あかん、魔性や…!」
「俺、持つかなぁ。いえ!でも宍戸さんがお望みなら…」




「…おい……アホ眼鏡コラァ…!!」




「うわ、宍戸」
「宍戸さん…っ?」
「何してんだコラ!ああ!?人の声勝手に撮ってんじゃねぇよ!!だいたいなぁそれは」
「宍戸さん…俺、嬉しいです」
「あ…?妙な勘違いしてんじゃねぇよ長太郎!あれは…、っちょっとま、苦し…っ!」
「好きです、大っ好きです!そんな宍戸さんも大好きですっ」
「ちょ、おま…、わっ…!あたってるってバカっ!!おい、長太郎…!!」
「が、我慢できないです…、もう……」


「――んのバッカ野郎!目ぇ覚ませ!!」
「うぐっ…!」
「てめぇは息の根も閉ざしちまえ!!アホ足!!」
「あぐぅっ…!!」


「人をからかうのもいい加減にしろ!そ、それは、準備体操について答えただけだろうがよ!…誰がその、…アレ…に、ついて…その、あんなようなことをっ…あんなかんじに言うかってんだ!バカ!!」




End.

ん?跡部、満足かって?…ああ、満足や。





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