瞳を閉じて ※部室にて。友達以上恋人未満? 「おっまえ激ムカつく!俺の半径3メートル以内に近付くな!!」 「し…っ、宍戸さぁん!すみませんごめんなさいもう許して…!」 「うるせえ!変態!!」 「宍戸さんッ…」 ―ガチャ 「なんやなんや?騒がしいなぁ」 「忍足せんぱ…」 「…はぁん。さては痴話喧嘩やな?」 「誰と!誰が!?」 「そら、宍戸君と鳳君が」 「ねぇ宍戸さん…もうあんなことしないから…許して下さい…」 「鳳、何したん?」 「…俺、宍戸さんに…」 「余計な奴に余計なこと言うんじゃねぇ、バカ!」 「まぁまぁ宍戸。落ち着きぃな」 「っすみません!…でも本当にそんなつもりじゃなかったんですって…!けど…けど宍戸さん、目を閉じちゃったから…」 「…目?閉じる?」 「はぁ!?理由になってねーよ!俺のせいにすんな!」 「だって…いいのかな、て…」 「おまえはアホか…!?いい訳がないだろうが常識的に!!」 「どうどう。まずは冷静に話し合おうや。な?宍戸」 「――そっ、そもそも!宍戸さんが命令してきたんでしょう!?先輩命令って言ったら俺が拒否できないの分かってて!!」 「堪忍な、鳳。宍戸。先輩命令はあかんよ。あれは一歩使い方間違うたら」 「誰があそこまでやれって言ったよ?…んっとに最ッ悪だぜ…!!」 「…っ、最悪とか酷い…!そんな言い方っ…、――…もっ、もしかして宍戸さん、初めてだったからそんな怒ってるんですかっ?ひょっとして、大切にとっておこうとか思ってたんじゃないですかっ!?」 「ん?何の…」 「っ…だ、誰がんな女みてーなことを…っ」 「じゃあいいじゃないですか!八つ当たりしなくたっていいじゃないですか!全部俺が悪かったですから!もう怒らないで下さいよぉっ…!…近づけないなんて…イヤです…!!」 「……なんで…あんなことしたんだよ、おまえ…」 「わっ、わかんないですけど…っ、俺は…最悪なんて思ってないですから!…最悪な思いをさせてしまって…、本当、ごめんなさい、宍戸さん…ごめんなさい…」 「長太郎はやった側なんだから最悪も何もねぇだろうが…。……つうか…あれは怒りに任せて言っちまっただけで…最悪とかそんなこと、ホントは思ってねぇよ。俺の方こそ酷いこと言って…ゴメンな」 「宍戸さんは謝らないで下さい。悪かったのは、勝手なことした俺だから」 「いや。俺がやり方見せてみろとかしつこく言ったから。…長太郎、嫌がってたのによ」 「まだ勘違いしてます、宍戸さん。俺が不満に思っていたのはそのことじゃありません。宍戸さんがあの子のこと彼女、彼女って誤解していたから…」 「…彼女だろ」 「あの子はただのクラスメイトです。彼女なんかいません。俺はずっとテニスだけ、宍戸さんと最強のダブルスペアになることだけしか眼中にないので」 「…長太郎…」 「…宍戸さん…一緒にがんばりましょう?」 「…おう。そうだな」 「半径3メートルとかもう言わない?」 「言わねーよ。バカ」 「よかった…!」 「ん。…っと、すっかり遅くなっちまったな。帰るか、長太郎」 「はい、宍戸さん。…あ」 「ん?」 「あの…、仲裁役をさせてしまってすみませんでした、忍足先輩」 「………え?俺?」 「あぁ、そうだった。悪かったな忍足。おまえのおかげで氷帝最強ペアは危機を乗り越えたぜ」 「………あぁ」 「ありがとうございました。忍足先輩は、頼もしいっス!」 「くせ者もたまには役に立つな!」 「え、…ハイ?」 「あっ、宍戸さん今日うちに来ますよね?」 「ん?ああ」 「母さんが夕食のついでに泊まったらどうかって………」 End. あの子らキスしてもうた…。 前 次 Text | Top |