明日の君を愛しましょう - その後 でも、それからしばらく経って、二人きりの部屋でいい雰囲気になったときに、ふと興味本位で夢の続きとやらをやってみた。二の腕にキスってやつを。 正直あの後どうなるのか気になってたんだよな。 服の上からのキスだったけど、長太郎は予想以上に驚いてくれた。 「し、宍戸さん…」 黙って見上げると、長太郎は顔を赤くして、うぐぐ、と何かを耐えてるみたいに俺を見る。 お。なに?なんかする気か? 夢の中の情景がぼんやり胸に浮かび上がる。 逡巡の後、長太郎は自分の唇に指をあてた。 「…そ、そういうことは、ココにして欲しいなぁ?…なんて」 「……」 「……」 「………クソヘタレだな」 「えっ?」 俺は「なんでもねぇ」と言って長太郎から身体を離した。 「あ、宍戸さ…」 「あぁ?なに?」 「……なんでもありません……」 それで終わりだ。 なんつーか。 夢の中の長太郎のがカッコよかった、なんて俺は少し後悔した。 End. 前 次 Text | Top |