◇中学生*高校生 | ナノ



Your side effect 5

今までの3ヶ月間はなんだったんだろう。

告白にOKしてくれたのはどうしてですか。
変わらず隣で笑ってくれたのはどうしてですか。
今日恥ずかしそうにしてまで部屋に招待してくれたのは、どうしてなんですか?

わからないけど、それも宍戸さんの優しさだったのかもしれない。
友達程度には俺を大事に思ってのことだったのかもしれない。

でも結局、男同士で付き合うなんて始めから無理だったんだ。

もっとお互いに思いあった上で今みたいなことしたかった。


もう可哀想だし、やめよう。
俺は床に押さえ込んでいた宍戸さんの両手を解放して、首筋から顔を上げた。

すると、とんでもないものが目に飛び込んできた。



「しっ、宍戸さん!大丈夫ですか!?宍戸さん…!!」




宍戸さんが鼻から血を流して気絶していた。

言っておくけど!
抵抗する宍戸さんを大人しくさせるために殴るとかそんな非道なことはもちろんしていない!






ベットに移動させ、額に冷水で濡らしたタオルを乗せて安静にした(倒れた時、顔が真っ赤だったからとりあえず冷やしてみた)
落ち着いたらしく、宍戸さんは30分ほどしてから目を覚ました。
ベットサイドに座る俺と目が合うと布団に潜りこんだけど「出ていけ」とは言われなかった。
俺は、なんて言ったらいいのか分からずに黙ってしまった。
宍戸さんが寝ている間いろいろ考えたし、まずなにより謝るべきなんだとは分かっているんだけど…。

「だ…大丈夫ですか」
「……」
「鼻血を出して、失神したんですけど……憶えていますか……?」
「……」
「……その、すみませんでした……」

怒ってるだろう宍戸さんは俺を無視したまま。
やっぱり何もいい言葉が見つからなくて、俺もとうとう黙ってしまった。
ずっと一緒にいたのに、こんな大事な時にどうしたらいいかわからないなんてひどい恋人だ。……もう宍戸さんにとって俺は恋人じゃないかもしれないけど。

悶々とした空気の中、布団からくぐもった声がぼそりと何かを呟いた気がした。

「え…?」
「…ごめん、長太郎」
「そんな、俺が悪いんですよ。どうして謝るんですか」

宍戸さんは布団に潜ったままもう一度謝罪した。

「いままれも、おまえが…その、らにかしたいのとか、分かってたよ。おなじ男らしな」





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