SS
◇添い寝

添い寝してくれませんか、とお願いしてみた。
目を伏せて、いいよ。と付き合ってひと月の恋人兼センパイは言う。
俺は心の中でガッツポーズ。

宍戸さんが膝をかけると小さくベットが軋んだ。それだけで、部活仲間であった時には無かった緊張感が走る。
隅に寄り、空いたスペースに宍戸さんが収まった。横臥した細い身体に布団をかけて、そっと距離を縮める。自分の心音がうるさいくらい頭の中に響いた。

「せ、狭くないですか?」
「お前のベット、広いし平気」

やっとの会話もすぐ終わる。
宍戸さんも緊張してるのかな?
声が硬い感じ。身体も硬直してる。
俺のこと、意識してくれてるんだな…。
そう思うと、ますます動悸が激しくなる。

どれほどくっついていいか分からず、変に空いた隙間。ああ、俺、さっきよく添い寝のお願いなんてできたな。でも想像以上の興奮、幸福。
い、いつか…裸でくっついたり、しちゃうの、かな。

邪なことを考えると、止まらなくて。
意を決して密着した。
宍戸さんがびくっと固まる。
俺もこれ以上、手も足も出せそうにない。
甘酸っぱいなぁ、俺達。


2011/01/23